乳酸 トレーニング スポーツ

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乳酸トレーニングの理論記事一覧

 例えば腕立て伏せを何回も連続して行ったとき、だんだんと腕や胸の筋肉がカーッと熱くなったように感じ、それ以上続けるのが苦しくなりますよね?あるいは100m走を全力で走った後、太ももがパンパンになって歩くのもつらくなる、そういった経験は皆さんあるでしょう。 その原因となる物質が「乳酸」なのです。筋肉に乳酸が蓄積することで、筋肉の中が酸性に傾き(pHが低下し)、筋肉の収縮が妨げられるのです。ではその乳...

 筋肉は糖質を燃焼(代謝)して運動のためのエネルギーを作り出します。 糖質を燃焼すると水と二酸化炭素になり、それと同時に運動のエネルギーを造ります。 糖質代謝は2つの段階に分かれます。 そして、それこそが、乳酸を蓄積させる原因でもあるのです。それを説明しましょう。 糖質代謝の第一段階は「解糖系」と呼ばれます。 解糖系の特徴はつぎのとおりです。 代謝に酸素を必要としない。つまり無酸素運動で行われる代...

 運動生理学に多少でも興味のある人ならば、「スプリンターには速筋線維が多く、マラソン選手には遅筋線維が多い」ということを聞いたことがあるでしょう。 私たちの筋肉は、筋線維という細い筋細胞が何千本も束になってできているのですが、その筋線維には3種類あります。 そして、その3種類の筋線維はそれぞれ性質が異なり、それぞれの筋線維がどのくらいの比率で含まれているかで、その性質が決まります。名前別名スピード...

 糖質を解糖系代謝で分解して乳酸をつくり、さらに乳酸を酸化系代謝で酸化して、運動のためのエネルギーを生み出すプロセスは、「バケツに水を貯める」ということをイメージするとものすごく理解しやすくなります。 下の図を見てください。水道から水を出し、バケツに水をためています。バケツの底には穴が開いていて、そこから水が流れて出ているという状態です。 このとき、水道からの水の流れは「解糖系代謝の強さ」を表し、...

 バケツの水をあふれさせない、つまり乳酸濃度を上げないための方法はいくつかあります。その方法について考えてましょう。水道の勢いを弱くする これは運動のエネルギーとして、糖質の利用を少なくするという考えです。 糖質の代わりに脂質を利用して運動のエネルギーを生み出します。 脂質からは乳酸は産生しないので、糖質の消費を少なくすることで乳酸の蓄積を抑えられます。バケツの底穴を大きくする バケツの底穴を大き...

 これまで、乳酸は疲労物質として考えられ、乳酸の蓄積にいいところは何もないと考えられてきました。ところが、近年のスポーツ生理学では、乳酸について全く新しい考え方が生まれています。 それは「乳酸は運動のエネルギー源だ」という考え方です。 バケツ理論で乳酸蓄積のメカニズムを説明してきましたが、実は乳酸の発生・蓄積はそれぞれの筋肉で別々に起こっているのではありません。バケツからバケツにひしゃくで水を移す...