乳酸と糖質・脂質

乳酸と糖質・脂質

スポーツに大敵と言われる乳酸。 最新の運動生理学によると、実は乳酸はエネルギー源だった! 乳酸を知り、科学的にトレーニングを行うことが勝利の近道です。 無酸素運動の短距離系、有酸素運動の長距離系、その複合の球技系と、スポーツ種目ごとに乳酸トレーニングの方法を「バケツ理論」でわかりやすく説明します。 科学的トレーニング方法で、ライバルに3歩差をつけましょう!

乳酸と糖質・脂質


例えば腕立て伏せを何回も連続して行ったとき、だんだんと腕や胸の筋肉がカーッと熱くなったように感じ、それ以上続けるのが苦しくなりますよね?
あるいは100m走を全力で走った後、太ももがパンパンになって歩くのもつらくなる、そういった経験は皆さんあるでしょう。

 

その原因となる物質が「乳酸」なのです。
筋肉に乳酸が蓄積することで、筋肉の中が酸性に傾き(pHが低下し)、筋肉の収縮が妨げられるのです。
ではその乳酸はどのようにしてできるのでしょうか?

 

乳酸が発生するしくみを知ることに、運動中の苦しさやスタミナ切れを克服し、試合に勝つためのヒントが隠されています。

 

100m走からマラソン、テニスやサッカーのような球技から格闘技まで、およそスポーツと呼べるものは筋肉の動き(収縮)で身体を動かすことで行われます。
その筋肉を動かすエネルギーとなるのが食物から取り入れる栄養素です。
なかでも「糖質」と「脂質」はカロリー(熱量)を持ち、消費されることで筋肉を動かすためのエネルギーを作り出します。
人間を自動車に例えると、筋肉がエンジン、糖質や脂質がガソリンにあたります。

 

よく「運動で脂肪燃焼」なんていいますが、エンジンとガソリンのたとえにピッタリのイメージですね。
糖質や脂質を燃やして筋肉を動かし、運動するとイメージしてもらって結構です。

 

糖質脂質の燃焼

 

この糖質と脂質という2種類のガソリン、運動中にどのような割合で使われているかは、運動の強さ」によって決まっています。
この割合は、運動中の呼吸を分析することで科学的に調べることができるのですが、
その結果によると運動強度が高くなるほど糖質が消費される割合が高くなることが分かりました。

 

糖質脂質の割合
(Astrnd  et  al,  1970から作図)

 

そして、ここでもう一つ大事なことが。 糖質や脂質を燃やして運動のエネルギーを作ることを「代謝」といいますが、糖質は代謝の過程で乳酸を発生しますが、脂質は乳酸を発生しないのです!
ということは、運動の強度が高いほど、糖質が多く消費されるようになり、乳酸が多く発生するようになるのです。

 

乳酸の発生

 

では運動中に糖質ではなく、脂質を多く消費してエネルギーを作ることができるようにトレーニングをしていけばよいのですが、試合時間が3分から5分以上の競技では、それはスタミナアップのために有効と考えられます。
しかし、それより短い競技時間の場合、単にそれだけではなく、必ずしもそれは正しい方法とは言えなくなってくるのです。

自分の筋肉の遺伝的性質を知ることは、向いている種目の選択や、効率的なトレーニングのために有効です

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