

短距離・長距離のどちらにも属さない、主に球技系のスポーツの場合はどうなのでしょう?
球技に限らず、大体3分以上の競技時間があり、そのなかであるときは全力で動き、あるときは軽く流して動く、というように、試合の中にメリハリがある場合です。
サッカーをイメージすればわかりやすいと思います。

この場合、全力で動いているときは乳酸をドンドン蓄積させつつ、糖質でエネルギーを生み出します。
この最中には脂質はほとんど消費されません。なので、相手との競り合いでの粘りを向上させたければ、乳酸の蓄積に負けない耐乳酸能力が重要です。
流しているときは、全力の動きの間に蓄積された乳酸を消費することが、次の動きのために重要です。
この間に不完全燃焼の産物である乳酸を除去させることが疲労回復のためのポイントです。
激しく動いたときに発生した乳酸を効率よく除去するにはどうすればいいのでしょうか?
これまで述べたように、現在の運動生理学では乳酸はエネルギー源なので、最も良いのはエネルギーとして消費してやることです。
流しているときに歩いて移動していては、結局、エネルギー消費が少ないので、乳酸も消費されません。
軽く走って移動するほうが、乳酸をエネルギーとして速く消費し、速く乳酸濃度を下げることができるでしょう。
球技系でのトレーニングでは、耐乳酸能力と乳酸酸化能力のどちらもバランスよく向上させるようなトレーニングがいいでしょう。
耐乳酸能力を向上させることで、全力で動いている最中の「もう一歩の粘り強さ」をつけることができます。
乳酸酸化能力を向上させることで、流しているときに疲労回復を速やかにすることができ、試合全体を通じてのスタミナ向上につながります。

短距離系と長距離系のトレーニングのところで述べたように、耐乳酸能力は、高強度の運動で乳酸濃度を高く保つ耐乳酸トレーニングが適しています。
一方、乳酸酸化能力は、中強度・長時間の有酸素運動で向上させます。
糖質の分解で発生した乳酸を速やかにエネルギー源として消費する能力を高めるのです。