筋肥大は回数も重量も関係ない?→研究でわかった本当の条件

筋肥大は回数も重量も関係ない?→研究でわかった本当の条件

筋肥大に回数や重量は関係ないのか?高重量・低重量を比較したメタ分析をもとに、筋肉を大きくする本当の条件をわかりやすく解説します。

筋肥大は「回数や重量で決まる」は本当なのか?

「筋肥大には8?12回がベスト」
「重い重量じゃないと筋肉は大きくならない」


筋トレの世界では、こうした「定番の考え」が広く知られています。


しかし一方で、最近では
「軽い重量でも筋肥大する」
「回数や重量は関係ない」
といった情報も増えてますよね。
何が正しいのか分からなくなっている人も多いのではないでしょうか?


筋肥大に最適な回数は本当に決まっているのか?
重量が軽くても筋肉は大きくなるのか?
結局、何を優先すればいいのか?


こうした疑問に対して、感覚や経験での答えではなく科学的データから正解を見ていきましょう。
ということで、今回紹介するのがこの論文です。


Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads: a systematic review and meta-analysis
Carvalho L, Junior RM, Barreira J, Schoenfeld BJ, Orazem J, Barroso R
Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 2022.


これは複数の研究をまとめて検証した「メタ解析」の論文です。
単独の研究の結果だけではなく、複数の研究データを横断的に分析しているので、よりエビデンスレベルの高い論文です!


では「筋肥大に回数や重量は関係ないのか?」という疑問を解き明かすべく、この論文を解説していきます。
筋肉を大きくするために本当に重要な条件は何なのでしょうか?


筋肥大の最重要ポイント|「回数×重量×セット数」が効果を決める

トレーニング量(ボリューム)が同じなら、筋肥大は負荷の重さに関係なく同程度である。
一方、最大筋力(1RM)は高重量のほうがより向上する。


重要ポイント

  • 高重量(?80%1RM)は、低・中重量よりも1RM筋力の向上が大きい
  • 中重量(60?79%1RM)も低重量より筋力向上は優れる
  • 低重量と超低重量の間では筋力差は明確でない
  • 筋肥大は、超低重量〜高重量まで差がない(ボリュームを揃えた場合)
  • この結果は、部位(上半身・下半身)に関係なく同様
  • 限界までやるかどうかは筋力の差を説明しない
  • 研究対象は20研究・約480人で、質は高い(PEDro平均6.7)
  • すべてボリューム(重量×回数×セット数)を一致させた比較


詳細解説

今回の研究は、いわゆる「高重量がいいのか?低重量でもいいのか?」という議論に対して、かなり厳密な条件で比較しています。


ポイントは、「トレーニング量を完全に揃えた」というところです。
つまり、重量×回数×セット数=総仕事量(ボリューム)を同じにしているんですね。


この条件で比較しないと、「軽い重量は回数が増えるから結局たくさんやってるだけでは?」という問題が出てしまうので、そこを排除しています。


次に、負荷の分類です。


この論文では負荷を4つに分けています。

  • 超低重量:30%未満(35回以上できる)
  • 低重量:30〜59%(16〜35回)
  • 中重量:60〜79%(8〜15回)
  • 高重量:80%以上(7回以下)

この4つの分類で、筋肥大と筋力の両方を比較しています。


では結果です。


まず筋力、つまり1RMの伸びについて。


ここはかなりはっきりしていて、重量が重いほど筋力は伸びるという結果になっています。
高重量は低重量よりも有意に強くなっていますし、中重量も低重量より優れています。
つまりこの論文の範囲では、筋力を伸ばすうえで最も重要なのは「扱う重量」だと示されています。


しかもこれは、トレーニングを限界までやったかどうかに関係なく同じ傾向でした。
セットごとに限界まで追い込んでも追い込まなくても、実は筋力アップにはあまり関係ないということです。


一方で、筋肥大です。


ここがこの論文の一番重要なポイントですが、
結果はかなりシンプルです。


どの重量分類でも、筋肥大に差は出なかった。


高重量でも、低重量でも、超低重量でも、「重量×回数×セット数」を揃えれば筋肉の大きさの増え方は同じでした。
よく言われる「筋肥大には8〜12レップ」というのも、統計的に他の重量よりも効果があるわけではなかったのです。


さらに、上半身・下半身の違いでも結果は変わりませんでした。
スクワットでも、ベンチプレスでも、プレスでも種目に関係なく、この原則は同じということです。


ここで重要なのは、この論文はあくまで「ボリュームを揃えている」という前提のもとでの話だということです。
つまり、「軽い重量だけどセット数が少ない」みたいな状況は含まれていません。


研究の中身についても少し触れておきます。


対象は合計20研究、約480人で、若年者から高齢者まで含まれています。
トレーニング期間は4週間〜52週間で、多くは8週間程度です。


筋肥大の測定も、MRI、超音波、筋生検など複数の方法が使われています。
そして、個々の研究の質も高く、大きなバイアスは確認されていません。


「筋肥大には回数も重量も関係ない?」まとめ

  • 筋肥大目的 → 8〜12レップにこだわる必要はない(重量×回数×セット数が同じなら)
  • 筋力目的 → 高重量のほうが効果的
  • 上半身も下半身もこの傾向は同じ