マラソン・トライアスロン・自転車競技のような長距離持久系・有酸素運動のトレーニングでは、「乳酸をできるだけ蓄積させない」ことが大切です。 乳酸濃度を高くしないでも維持できるペースを可能な限り高めることが、あなたの基本スピードを上げて、能力を高めます。
持久系スポーツの選手の人は、駆け引きの時の一瞬の切れ味やスパートの速さも確かに大切ですが、それよりも大切なのは「基本スピード」。 いいですか? 基本スピードがなければ、いずれライバルに置いていかれます。 まずは長時間、乳酸をためずに高いスピードを維持する力を身につけましょう。
乳酸の蓄積を避けるために一番大事なことは、乳酸の元となる糖質を可能な限り使わないことです。 その代わりに、乳酸を発生させない脂質をエネルギー源として利用できるようなトレーニングのアプローチが基本です。 脂質は酸素が十分にある状態で初めて燃焼されますから、有酸素トレーニングをしっかりと行うことがポイントです。
ロング・スロー・ディスタンス(LSD)と呼ばれるトレーニングは、長距離系のスポーツの基本中の基本ですが、ゆっくりとしたペースで、長時間、長い距離のトレーニングは、酸素を十分に取り入れながら、運動の刺激をできるだけ長時間受け続けるために最適な方法です。 酸素が十分にあるので、脂質を燃焼する能力を高めることができるのです。
しかし、長距離の競技でも糖質は利用されます。 なので、有酸素運動でも乳酸は発生します。 発生した乳酸を蓄積しないために、乳酸の酸化能力を高め、乳酸を速やかに燃焼できるようなトレーニングが効果を発揮します。 このトレーニングもはやり有酸素運動です。 ただし、同じ有酸素運動といっても、ある程度強度が高いほうが糖質を多く消費し、乳酸を発生させやすくなりますので、LSDよりも時間は短めで、ペースは速めのトレーニングを行います。